∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 『啓蟄』の節季 ≡≡

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冬眠から覚めた虫たちが
地上に這い出て活動し始める頃

 春がそこまで来ていると実感できる『啓蟄」の節季がやってきた。

「ひらく」の意をもつ『啓』と「むし」の意をもつ『蟄』の二字が合わさっているとおり、土の中で冬眠していた虫たちが被さっていた土を掻き分けて地上に這い出て、活発に動き始める頃である。また、地上から木々に目を向けると、蕾が膨らみ春を彩る準備をし始めている。生き物の息吹が復活し、新たな時が刻まれ始める。
 江戸時代に著された『暦便覧』には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されている。

 冬の気配が薄れ、すっかり春めいてきた。この時期になると、次の冬が来るまでは寒さに震えることもないだろうとホッとしてしまうのだが、今年は季節の移ろい以外に、例年とは違う特別な意味合いも感じている。

 土という重しを掻き分けて地上に出てくる虫たちと同様に、不遇な生き様を強いられているすべての人々が、強権を押しのけて自由に動き回れる春になってほしいと強く願っているのは私だけではないはずだ。

 春本番はすぐそこまで来ている。
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[season12/0305/25:00]
啓蟄』‥虫たちが巣ごもりから目を覚まし、地上に這い出る頃
photograph:FLOWER PEACH/ueno toshogu botan-en, ueno
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