∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 東京大空襲とウクライナ ≡≡

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─1945年3月10日─
日本にも
空襲から逃げ惑った日々があった

 77年前、太平洋戦争中真っ最中の今日、東京はアメリカ軍の焼夷弾(ナパーム弾)によって焼き尽くされた。
 日本全国の工業地帯を狙ったアメリカ軍による爆撃は前年後半から激しくなっていたが、特に首都でもあり、軍需産業の拠点でもあった東京は隅田川沿いの下町を中心に壊滅的な被害を被り、一夜のうちに10万人以上の民間人が犠牲になったという。のちに東京大空襲と呼ばれるようになる空襲である。

 私の古い知り合いの中にもそんな空襲体験者が何人かいる。逃げても逃げても焼夷弾と火災が追いかけて来る中、大切な家族を失いながらも懸命に逃げて生き延びた人たちである。
 さすがに77年も経つと、天寿を全うして亡くなった方のほうが多くなったが、その人たちがポツリポツリと話してくれた当時の状況は、耳を覆いたくなるようなものばかりだった。

 攻撃方法も情報共有の有無も何もかもが違うようにみえるが、今、ロシア軍からの無差別攻撃に晒されているウクライナは77年前の東京と同じ立場に立たされている。住み慣れた住居を攻撃で失い、地下壕に隠れ、逃げ惑い、長時間の移動に耐えながら隣国に逃げ込む。図式としては同様である。
 言うまでもなく、第二次世界大戦当時、ナチスドイツに攻撃されたヨーロッパ各国が味わってきた苦痛とも同様である。

 人間は戦争の悲惨さを充分に知り尽くしている。それなのに戦争は繰り返されてきた。何ひとつ有益な結果を産まないということも熟知しているのに繰り返してきた。そして、繰り返すたびに悲惨さを増幅させてきた。

 戦争を終わらせるのも戦争を始めた人間の責任である。

 歴史を遡っても、完全な戦争終結を迎えようとしたら、周囲にいる誰も止めさせることはできない。多くの場合、戦争を仕掛けた人間が“死”という代償を払うことで戦争は終結している。文字通り「地獄に落ちろ」である。

 ロシアよ、目を覚ませ。プーチンよ、諦めろ。

 国力を消耗し続けて自国の未来まで失うことにならないうちに“名誉ある撤退”すること。ウクライナを平和な国に戻すにはそれしかない。
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[season12/0310/24:45]
啓蟄』‥虫たちが巣ごもりから目を覚まし、地上に這い出る頃
photograph:FLOWER PEACH/ueno toshogu botan-en, ueno
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