言論の自由の基準とは。
これからのネットメディアの行方が
問われることになる買収劇。
「イーロン・マスク氏によるツイッター買収策をツイッター社が承認し、買収が確定した。買収額は5兆6千億円。買収後は非公開化される」。
最初にこの買収案を知った時は「これは反発が出るぞ」と感じていたが、表面的には穏やかな支配権移譲になった。ツイッター社が対抗策として計画していたポイズンピルの発動もなかった。
現在の一般株主は「株式が希釈化されて1株あたりの価値が一時的に下がってしまう」という恐怖から逃げ出せたうえに、高値で売り払える恩恵まで得たわけである。
これからツイッターはどうなるのだろう。氏は現在のツイッターは「言論の自由の原則が守られていない。デマやプロパガンダなどを判断する基準を公にして誰もが内容を検証出来るようにするべきだ」と言っているが、具体的にはどんな
ファクトチェックを用意するのだろう。
そもそも、氏の考える“言論の自由の基準”とはどういうものなんだろう。
これまでも“炎上”の原因だった拡散してしまって暴走し始めたコメントなどに歯止めを掛けるプログラムは用意されるのだろうか。
氏の理想を素直に受け取れるユーザーばかりなんだろうか。万一、そうではないユーザーがはびこった時はどう対処するのだろう。
素朴に考えれば、たとえSNS上であっても言論の自由を守ろうとするとフェイクニュースもデマもプロパガンダも言いたい放題、言った者勝ちということになる。つまり“炎上上等”である。
もちろん、フィッシング詐欺や、まやかしのクラウドファウンディングなどのサイトに誘導しようとする輩も出てくるだろう。
私は“自由を行使する権利”には“自由を維持する義務”も同時に発生すると信じている。
隠れた所からデマを垂れ流して、対象にした人や事物を傷つけたり、興味本位の人々を洗脳しようとする人間ほど卑劣な輩はいないとも信じている。
また、一旦拡散したデマでも反論すれば収まるなどという論理は机上の空論だと信じている
これからツイッターはどんな道を歩もうとしているのだろう。改革後も納得して使い続けられるメディアであってくれることを切に願っている。
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[season12/0426/24:45]
『穀雨』‥春雨が草木を芽吹かせ、穀物の成長を促す頃
photograph:sinobazu pond, ueno, taito city
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