∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 麦秋至(むぎのときいたる) ≡≡

麦の収穫を無にする
ウクライナ侵攻

 澄み切った青空の下で、小麦色の波がさざ波のように広がっていく。梅雨入りを目前に控えた頃、前年の初冬に作付けされた麦が収穫の時を迎える。

 今日からの5日間は七十二候では『麦秋至(むぎのときいたる)』。「麦が熟し麦秋となる」と言われる二十四節気の『小満』の末候である。俳句では夏の季語とされている麦秋(ばくしゅう)は、文字通り麦が収穫期を迎えるという意味以外に、初夏から真夏へと移ろっていくサマを表す場合にも使われている。

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 麦の収穫期は世界中どこでも同様。世界的な小麦の生産地であるウクライナもそのひとつである。だが、今年は彼の地での収穫も積み出しも期待することは出来ないだろう。

 ロシアからの攻撃を恐れながらの収穫はもちろんのこと、地雷が埋まっているかもしれない麦畑の収穫など不可能に近い。しかも、これまで収穫されたものが集積されている国会沿岸の港はロシアによる海上封鎖が続いている。
 世界中に供給されてきた食料資源が危機に瀕するということは、世界中が「収穫物はあるのに“飢饉”に陥ってしまった」ことを示す。この次に起こる状況は飢えであり、貧困であり、死である。

 ロシアによるウクライナ侵攻は、穏やかに暮らしていた人々からすべての資源をことごとく奪い去った。コロナ禍で被った資源欠乏とは比較にならないほどの打撃を世界中に与えているといっても過言ではないだろう。

 東欧で起こった戦争が世界を大混乱に陥らせてしまった。戦況が長期化すればするほど飢饉は確実に進んでいく。
 そんな今、我々は「値上げ」が「恐慌」にならないように願うしかないのだろうか。そんなことはないはずだ。
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[season12/0531/25:00]
麦秋』‥麦が収穫を迎える時季。青空の青と麦の黄金色が初夏を彩る
photograph:souji-ji, tsurumi, city of yokohama
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