∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ この商店街、変わるゾ! ≡≡

特性を生かした都市再生真っ只中の
巣鴨地蔵通り商店街

 ほぼ一年ぶりに巣鴨まで出掛け、野暮用を終わらせた後『おばあちゃんの原宿』として一世を風靡した巣鴨地蔵通りまで足を伸ばしてみた。
 「たまにはとげぬき地蔵にお参りしていくか」程度の軽い気持ちだったが、途中から「この街、変わったな」と感じ始めた。

 以前、この商店街は〈年齢:70歳以上、性別:女性、感性:古風、目標:体力と健康の維持〉の人たちを顧客対象にしていた。
 残念ながら2年ほど前に閉店してしまった『すがも園』を代表格とする、盛りの良さと手頃な値段で人気を呼んでいた甘味と定食両方を扱う店舗。にんにくや昆布、はちみつ、のど飴、豆類などの健康食材を使った商品だけを集めた店舗。胆力を増す下着として信じられている赤パンツで有名な『マルジ』。スソにゴムが入ったモンペスタイルのズボンを最大の売れ筋にした店舗。従業員は全員60歳以上という煎餅屋……。
 とにかく、行っても行っても「在所はどちら」と聞きたくなるような“おばあちゃん好みの店舗”ばかりが並んでいた。もちろん、どの店舗も昭和中期に建てられたもので、オシャレとはほど遠いものばかりだった。

 ところが、今日行ってみると。店舗のリニューアルはもとより、新しい切り口と感覚を引っさげてデビューした店舗まで、すっかり様変わりしようとしていた。まだ営業している『赤パンツのマルジ』も新店舗建設のために一時閉店しようとしていたのだ。

 商業地は、ある程度新店舗が増えると街の印象はガラッと変わるという理論を聞いたことがあるが、この街はまさにそれを地で行っているようだ。

 リニューアル中の店舗も目立つし、これから建て替えようとしている店舗もいくつかある。道路舗装も全面的に変えようとしているようにも見える。
 街の風景に負けず劣らず、商材も今の“おばちゃん”に受け入れてもらえそうなものに変化しているようだ。

 今、巣鴨地蔵通り商店街は「今の高齢者を対象にして若返ろうとしている」。さすが時代時代で高齢者が何を求めているかを模索し続けてきた商店街である。この“街の特性を生かした都市再生”がどんな姿になるのか、一年後が楽しみになってきた。
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[season12/0602/25:15]
小満』‥草木が伸びはじめる頃。夏めいていく中に梅雨の予感。
photograph:souji-ji, tsurumi, city of yokohama
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