∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 七十二候の怪 ≡≡

芒種次候は「腐草為蛍」
その意味は
腐った水草から蛍が湧き出る

 季節の移り変わりを表す農村歴の二十四節気を、さらに「初候」「次候」「末候」の3つに区切ったものを七十二候という。古代中国で考案されたものを江戸時代に日本の季節感に合うように改めたもので、季節の移り変わりを短文で表す仕立てになっている。

 今日から5日間は『芒種』の次候になるが、それを表す短文が怪奇そのものなのだ。
 曰く「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」。つまり、腐った水草から蛍が生まれるという自然現象をまったく理解していない表現になっているのだ。蛍が腐った水草から自然発生的に湧き出てくるわけはない。いくら蛍が飛び始める季節だとしても明らかに言い過ぎ。ここまで極端だと呆れるしかない。

 梅雨が本格化してからしばらくすると蛍が飛び交う時期がやってくる。梅雨明け頃には有名な蛍の里から見物客の賑わいが伝えられることだろう。ひょっとするとコロナ対策用の「もっとTokyo」や県民割などの地域観光事業を活用した宿泊プランの目玉企画にと計画している関係者もいるかもしれない。

 まさか、そんな“蛍イベント”で七十二候を話題にすることはないと思うが、念のために言っておこう、「話題にするな」と。
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[season12/0611/24:30]
芒種』‥古くは田植えが始まる頃。梅雨空の下で紫陽花や花菖蒲が咲く
次候‥腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる):里に蛍が飛び始める頃
photograph:IRIS:horikiri-shoubuen, katsushika City
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