∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 時代を牽引したブラウザ ≡≡

インターネットエクスプローラー
今のインターネット社会を築いた

 ついにその時が来た。

 Windows95がデビューした時からバンドルされていた『インターネット・エクスプローラー(IE)』のサポートが終了すると聞いた時、私は「とうとうその時が来たか」と思わず独り言を囁いてしまった。
 Windows95がリリースされた27年前は、まだプロバイダ環境が整っておらず、インターネット接続は非常に高価だった。そのため、接続にはある種の覚悟が必要だったが、それでも「これが時代を変える」と興奮したのを覚えている。

 そもそも、1995年の年末というとインターネットなどという未知の“道具”に触れただけで、未来への玄関口にいると感じ、興奮した時代だったのだ。
 当時、Windows95にバンドルされていたインターネット・エクスプローラーは時代を変えるソフトウエアとして圧倒的なシェアを誇っていた。ほかにネットスケープ・ナビゲーターなども存在していたが、一般向けブラウザとしてはIE以外は考えられなかった。当時、アップルのMacintoshにはネットスケープ・ナブゲーターが搭載されていたが、Windows系と比べると圧倒的なシェアの違いがあったため、自動的にインターネットと言えばIEを指すようになっていったのだ。

 サファリやモジラがデビューし、グーグル・クロームが登場し、マイクロソフト・エッジがバンドルされるようになった頃から、いつかはIEのサポートが終了する時が来るのだろうと覚悟していたが、いざその日が来たとなると、やはり感慨深いものがる。
 正直なところ、現在私はIEを使っていない。エッジも使っていない。グーグルクロームが登場してすぐ乗り換えてしまったのだ。
 常に攻撃を受け続けているというセキュリティへの不安、タブが使えるという便利さ、表示スピードの速さなどすべてに渡ってChromeIEを上回っていたのだ。
 それでもインターネットの可能性と楽しさと怖さを教えてもらったIEには特別な感情がある。
 外国の情報といえば、航空便で届く新聞や書籍や雑誌と電話と電報しかなかった時代に、IEはその場で無数の情報とアクセス出来る環境を作り出した。

 インターネット全盛の時代はIEが作り出したと言っても過言ではない。

 理論上は、サポートが終了しただけなので意地を張って使い続けることも可能だろうが、そこまで固執することもないだろう。IEが情報化社会を築き上げたという輝かしい事実は永遠に語り継がれるのだから。
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[season12/0615/25:00]
芒種』‥古くは田植えが始まる頃。梅雨空の下で紫陽花や花菖蒲が咲く
次候‥腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる):里に蛍が飛び始める頃
photograph:IRIS:horikiri-shoubuen, katsushika City
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