食べログ案件は
ユーザー側の
リテラシー欠如も遠因
誰かとどこかで美味しいものが食べたいと思った時、ついつい参考にしてしまうのがグルメレビューサイトだ。ミシュランのような権威筋の情報はともかくとして、カジュアルな感覚で利用したい時や、評価を確認したあとそのまま予約したい時には、どうしても誰もが評価を書き込めるサイトを参考にしがちだ。私も何かの時は複数サイトで検索しながら利用している。
そんなサイトの中でも『食べログ』はもっとも馴染みの深いサイトだろう。
その『食べログ』4が、飲食店が訴えた「予告もなく評価が下がったため売上が減少した」という訴訟で敗訴した。
『食べログ』側は判決に対して控訴するようだが、それとは別に新たなアルゴリズムの構築も必要になるのは確実だろう。
しかし、今回の裁判で私は「信頼できると思っているサイトが発信する情報は、第三者が発信する情報と比較されることなく、鵜呑みにされる可能性が強い」ということを改めて確認した。
日本にはグルメレビューサイトがいくつもある。当然ながら、同じ店舗に対しての評価はサイトによって違う。どのサイトを見ても高評価という店舗もあれば、大きな差のある店舗もあるわけだ。
もし誰もが複数サイトでリサーチしていれば今回のような「評価点論争」は起こらなかったのではないだろうか。統計学上のアルゴリズムを基礎にして評価点を導き出している『食べログ』はワルモノではなく、自らを過信し過ぎただけのようにも思えてくる。
「情報を鵜呑みにしない」というのは基本中の基本。特に誰もがアクセスできるサイトの情報を“裏取りなし”で信じるのは軽率すぎる。信じられる情報よりもガセネタのほうが圧倒的に多いという事実を常に意識するのもイマドキの常識ではないだろうか。
コロナ禍で飛び交ったガセネタや、ウクライナ情勢の真贋などには敏感なのに、こと飲食店選びに関しては無防備というのは通用しない。
今回はグルメレビューだったが、このジャンル以外で評価や表示順位の前後が伴うサイトの使い方も合わせて見直して“賢いユーザー”を目指すことも求められているのではないだろうか。
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[season12/0618/25:30]
『芒種』‥古くは田植えが始まる頃。梅雨空の下で紫陽花や花菖蒲が咲く
末候‥梅子黄(うめのみきばむ):梅雨本番。梅酒を仕込む頃
photograph:SHINOBAZU POND:ueno, taito city
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