「節電、よろしく!」と言われても、
何から手をつければいいのか……
「6月27日月曜日は想定以上に気温が高くなりそうなので、東京電力管内で予備率が3.7%程度になり、電力が逼迫する恐れがあります。そのため本日6月26日付けで需給逼迫注意報を発令します」。
なんだか不気味な響きをもつ注意報である。要は「暑すぎて電力がパンクしそうだからエアコン以外は節電してね」ということだろう。予備率3.7%なので、今すぐ停電とはならないだろうが、それでも何かしらのアクションを起こさないと不安は解消しない。
供給能力以上の電力を使うと広範囲な地域で停電になり、いわゆるブラックアウト(全域停電)が起こるということはよく分かっている。電力が“生もの”で作り置きの出来ないものだということも頭では分かっている。
地震の影響で電力需給のバランスが崩れために起こってしまった北海道のブラックアウトのことも記憶に残っている。
CO2削減のために老朽化した火力発電所での発電が停止しているということも知っているつもりだ。
だが、本音で言えば「注意喚起していただき感謝しますが、そう急に言われても」である。せいぜい「何を切れば分からないけれど、値上がりしている電気代程度は節電するか」と考えるのが関の山だろう。
ひと言嫌味を付け加えるなら、「以前から専門家の間では電力がエネルギーの主役になると言われてはずなのに、なぜ効果のある対策が取れなかったのか教えてもらいたい」ということになりそうだ。原発への幻想が根強く残っているのだろうか。それとも、再生可能電力設備や充電設備の新設は慎重にとでも考えているのだろうか。いや、ひょっとすると新たなインフラ構造の構築に腰が引けて鈍重になっているだけなのかもしれない。
いずれにせよ、電気がないと生活できない時代になっているというのに「節電しろ、あとは任せた」というような要請はあまりにも強引すぎる。2000円の節電ポイントを出すと言われても「だからどうなの?」と聞き直したくなってしまう。
注意報や警報を作るのと同時に、電力中心のインフラ構築への指針や計画などが発表されてこそ庶民は納得できる。その場しのぎの節電で済ませていると、何年か経つとにっちもさっちもいかない状況になるのは目に見えている。
既得権益を跳ね飛ばすような、こんな時だからこそ出来る大胆な発想もあると思うのだが。
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[season12/0626/24:50]
『夏至』‥一年で一番昼が長い時季。太陽のエネルギーが満ちる頃
photograph:SOUJI-JI/tsurumi, yokohama city
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