∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 敬意を示す日 ≡≡

8月15日。
終戦の日
哀悼と決意と深い敬意を表す日

 愚かな精神論を振りかざし、冷静な判断を封じ込め、プロパガンダで人々を騙し続けてきた人間たちに否応なく駆り出されてしまったために、多くの人が死に、多くの人が泣き悲しんだ太平洋戦争は77年前の今日集結を迎えた。そして、日本は多くの因習を否定して、それまでとは違う形で再始動し始めた。

 私は終戦の日は亡くなられた方々へ哀悼の意を示しつつ、二度とあのような無謀な事を企ててはならない決意を新たに確認する日だと思ってきた。
 だがここ数年は、哀悼と決意とともに、灰燼と化した焦土のなかで何としても生き延びようと歩み続けた人々、つまり我々の祖父母や父母たちに改めて深い敬意を示す日でもあると思うようになっている。

 彼らは、自らの家族の無惨な死をはじめとして、何もかもを失いながらも、時に涙し、時に恥を忍び、時に人の手を借り、また、時に意に反したことにも手を染めることがあっても、何が何でも日本に安寧と繁栄の日を築こうと生き続けてきた人々だった。

 混乱と混迷の中で逞しく生きた彼らが、文字通り手探りで、日本にそれまでとは違う平和の形と繁栄をもたらしてくれたおかげで、私は武力による脅威を感じることなく平穏に暮らしてきた。自由に発言し、表現し、批判する権利も存分に行使してきた。自らの意図に反することが起こっても“諦め”ではなく、自らの意志として“理解”したり“納得”することで切り抜けてきた。

 もし、戦争体験者が艱難辛苦を乗り越えてくれていなければ、今の暮らしはなかったと私は確信している。

 今、私が先人たちと同じ状況に置かれていると仮定すると、彼らのように生きていられるかどうか疑問である。絶望への道を選ばず、前へ進むことを選んだ先人たちに改めて深い敬意の念を表したい。
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[season12/0815/25:30]
立秋』‥夏真っ盛りに気付く秋の予感。残暑見舞い。虫の音。秋雲。
photograph:STRANGE TREE/souji-ji, tsurumi, yokohama city
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