新米の試供品をいただいた
いつもの米屋で、いつものオバちゃんから、いつもどおりの米を、いつもどおりに七分搗きにしてもらっている間に「新米が入ったから試してください」と鹿児島産こしひかりの試供品を手渡された。
新米というキーワードに惹かれて詳しく話を聞いてみると、おおむね新米は鹿児島産を皮切りに徐々に産地を北上して10月初旬には出揃うとのこと。言ってみれば桜前線の新米版ということらしい。
よく見ると、店内には新米カレンダーも張り出されている。きっと質問するお客さんが多いのだろう。
一年が経つのは早いもの。もう新米の季節がやってきた。
今年の作柄は昨年同様「平年並み」らしい。しかしオバちゃんは「台風の影響などで収穫が間に合うかどうかが心配だ」と考えているようだった。
米もほかの収穫物と同様、収穫間際で冠水したり、風で倒れたりすると収穫量は激減する。台風11号のような大型台風が産地を襲うと、米の作況予想も変わってきてしまう。
なによりも生産者は「一年を費やしてきたすべての努力が水の泡」になる。食べる方だって旨い米が食べられるのかどうか心配になってしまう。しかも価格の優等生だった米にも値上げの波が襲ってくるかもしれない。
人智を超えたものだけに、自然の猛威は人の力では何もコントロールできない。台風11号にしても、これから来るかもしれない台風にしても、とにかく穏やかであって欲しいと思わず願ってしまいそうだ。
米だって、昨年の不作とウクライナ情勢の影響で供給量が激減し、価格が急上昇してしまった小麦と同様になる可能性だって否定できないわけだ。
無事に新米前線が北上してくれればいいのだが……。
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[season12/0903/25:30]
『処暑』‥酷暑が峠を越す頃。二百十日。台風シーズン到来。
photograph:matsuchiyama-shoden, taito city
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