晩秋から初冬へ向かうこの時期は
思った以上に表情豊か
紅葉の見頃にはまだ早いが、二十四節気では今日からは冬ということになる。江戸期に著された『暦便覧」に「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と記されているとおり、しばらく経って気がつく頃には寒さも本格的になっているだろう。
冬の使者と呼ばれる木枯らしが吹くようになり、渡り鳥が北の国から訪れ、生まれたばかりの小鳥を育て始める。肉厚の椿の花が咲く一方で、可憐な姿の水仙が咲く。ハラハラと舞い降る小雪に戸惑う日があるかと思うと、小春日和に和む日もある。約2週間続く『立冬』という時期は、思った以上に表情豊かな時期なのかもしれない。
暑い夏が大好きな私にとって冬は一年で一番苦手な時期である。冬のほうがいいと思えるのは食材、特に海産物くらいなものかもしれない。
だからこそとでも言えばいいのか、寒さが厳しくなるにつれて「自虐的でもいいから、辛く厳しいときほど楽しもう」とする傾向が強い。きっとこの冬もグチをききながらも小さな楽しみを探し続けることになりそうだ。
今年の冬はどんな冬になるのだろう。厳しさと楽しさが共存した季節であってほしいものである。
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[season12/1107/25:00]
『立冬』‥冬が始まる。木枯らしが吹き雪の便りが届く。椿咲く頃。
photograph:SUNSET, doukanyama ave., nishi-nippori, arakawa city
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