∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ ハッパを掛けられたような ≡≡

上質な作品と対峙しながら
自らの生き方まで見つめ直す

 それまでの生き方に終止符を打って、知らなかった世界で生きようと決心した昨年末。それから3カ月経って、知らなかった世界にも慣れ、このままユルユルと生きていくことになるのだろうと覚悟していました。
 そんな心境の変化を懐きながら毎日を過ごすなか、昨日の日曜日、とある個展に出掛けました。

 銀座の裏通りにひっそりと建つ“知る人ぞ知る歴史的建造物”で行われていたその作品展は、写真だけの作品もあれば、写真に自作の俳句を配した作品もある。小ぶりな大きさにまとめられた写真ばかりを数十点集めたものでした。

 共鳴出来る作品、唸らせる作品、納得する作品……。どれもこれも作家の心情や発見がこもったものばかり。なかでも、ご自身が詠まれた俳句を写真のなかに定着させた作品群には、作家の奥行きの広さが表現されているように感じました。

 そんな作品を観ながら「今の暮らし方をもう一度見直してみようか」と思い始めたのです。作品への感想以上にです。

 自らが目指す生き方を心の引き出しの中に仕舞い込んで現実と対峙することも大切だけど、何かを表現しようとする気持を忘れてはいけない。たとえ稚拙であってもいいから見ず知らずの人々に自らをさらけ出す作業は人生の生きがいであり、ゆとりであり、終着点ではないか。そう思い始めたんです。

 昨日出会った作品群は、確実に私の心の中に小さな地殻変動を起こさせたようです。これを大きなものに熟成していくためには時間も掛かるし、強い意志も必要だと自覚しています。
 それでも、今、私はそんな心情の揺れを無下にしてはいけない。少しずつ育てていこうと思い始めています。

 私の心に小さな地殻変動を起こしてくれた素晴らしい作品との出会い。何年か経って「あの日が変換点だった」と思えるようになるよう、もう一度自分を見つめ直してみます。

 ありがとうございました。
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[season13┃20 Mar. 2023┃11:00 JST
┃HANA-CHOUZU(Floating flower)┃
Ueno toshogu, Botan-en Photographed on 28 Jan. 2022