
調整池の存在が災害を防ぐ
逆走台風と呼ばれるようになった台風15号が茨城県水戸市の南に上陸したあと、西に向かっているというニュースを聞いて「東京も今夜は嵐になるかな」と一抹の不安を抱いているオッサンがここにいます。
実はこのオッサン、子供の頃から台風にいじめられ続けてきた身としては台風が来るというだけでナイーブになってしまう人物なんです。
東京でも、善福寺川流域に「レベル4の氾濫危険情報」が発表されました。東京にお住まいの方ならお分かりだと思いますが、善福寺川流域というのは何かあるとすぐに氾濫するエリアです。
善福寺川流域には4つ目の「地下調整池」が計画されており、昨年1月には事業認可も降りています。しかし「危機は今ここに、対策完了は10数年後」です。流域にお住まいの皆さんは、これまでどおりハラハラしながら夜を過ごすわけです。
神田川や石神井川の流域は調整池が完成したことで氾濫が激減しました。しかし、調整池がいまだに不足している善福寺川流域の水の脅威を制圧できれば、現状で8ヵ所で工事が進んでいる東京の治水計画は大きく進むと言っても過言ではありません。
人口が多く、数十年前に計画された排水計画では手の打ちようが無くなっている東京で調整池はインフラ整備の最重要課題のひとつだということは誰もが認めるところ。万一氾濫を起こしたら「なぜ計画が遅くなったのか」という疑問が出るはずです。
もともと東京は、入江や軟弱な地盤の扇状地が多かったうえに、固い台地だった場所も河川の侵食によって削り取られてきました。
そんな治水には不利な地形を、江戸時代初期から石神井川や平川、善福寺川などの河川改修や付け替え、あるいは道三堀や外濠川などの運河掘削で切り抜けてきた都市が、下水管そのものを付け替えるよりも短期間で効果を上げられる治水の最終形のひとつとして選んだのが調整池です。
調整池が完成しないことには東京に氾濫危険情報が出続けます。この自然相手の命題をどう解決するのか。私には計画そのものの前倒しも必要だと思うのですが、いかがでしょう。
==[season 16]Aug.11 2026 立秋初候 ==
〈Up,Up and Away〉
Minami Senju,Adachi City
Photographed on Aug.26 2023