この続きはコーヒーと一緒に

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

頑張れ、新人候補生

【社会人候補生諸君】


 昨日、とあるコーヒーショップで。隣の席に若者二人が座っていました。一人はスーツ、一人はジーンズという彼らの話が時折、僕の耳に飛び込んできました。
 曰く「卒論、どうだった?」。曰く「あいつはどうしてる」。明らかに就職を控えた大学4年生だと判る話題が散発的に聞こえてきます。その中でとても気になったフレーズがひとつありました。


 「働きたくないなあ」。
 彼は希望した職業につけなかったのでしょうか。納得できないまま社会に巣立っていくのでしょうか。大学で研究していたことと分かれるのが寂しいのでしょうか。それとも単にこれまでどおりに遊んでいたいだけなんでしょうか。
 チラッと見るとスーツ姿も身についていない様子。ネクタイの着けこなしもどこかぎこちない感じです。


 そんな彼を見ていて、自分が社会に出た数十年前のことを思いだしてしまいました。
 アルバイトをしていた出版社でそのまま社員としてお世話になることになったため、あまり生活の変化も仕事への不安も感じませんでした。逆に「社会に出られる」とか「やっと自分の収入だけで生活できる」とか「仕事するぞ」といった“明るい気持ち”で過ごしていたと記憶しています。今、思うとなんともお気楽な気持ちでいたものだと呆れてしまいます。
 同時に、今の新入社員候補生は世の中の厳しさや辛さを、学生ながら、体感してきたし、もっと厳しいことを覚悟しているんだろうなと想像してしまい、思わず「頑張れよ、新人候補生」と心のなかで叫んでしまう始末。


 でも、こんな言葉もあります。「時代が人を育てる」。この言葉通り、どんなに厳しい社会でもどこかに自分の活躍する場所はあるもの。諦めず、一歩ずつ歩みを進めていけば必ず幸せはやってくるもの。厳しさを経験するのも自分の人生です。
 もう一度言いましょう。「頑張れよ、新人候補生」。


[8591000]