よく「活字離れ」が進んでいるって言われてるでしょ。僕はそんな一言で済まされるもんだいじゃないと思ってるんだ。インターネットもメールも基本は文字でしょ。
そりゃ「活字じゃないフォントだろ」って言われればそれまでだけど。
そう、それでだ。雑誌のことだけを取り上げてみると、昔、月刊誌を読むときは、なにかワクワクしてくる感覚があったんだよね。知らなかったカッコイイ世界を教えてくれたり、スマート・スタイルってこれなんだって共感できたり。なによりも「鋭さ」があったと思うんだ。だから毎月何冊も読んでた。
それが今では、なぜか元気がない。当時のワクワク感の源泉がすべてインターネットに行ってしまった感じがするんだよね。
結局は面白くてライフスタイルのなかで欠かせない雑誌が少なくなったということかもしれないけれど、これって雑誌が自分たちのパワーにアグラをかいていた結果じゃないかって思う時もある。
雑誌編集者上がりの僕も、現場にいた時、もっとガツガツと真剣に新天地を探し続けていればもっとワクワクするような雑誌が作れたのに、なんて今になって反省してしまうね。
広告収入が激減しているらしいから、作り手としては元気も出ないってことは分かるけれど、もう少し頑張って欲しいっていうのが卒業生の率直な意見。出会う編集者のほとんどが「先の見えない道を模索してる」し、本当に苦しみながら「次の世界」を探してるってことは分かるんだけどね。悔しいね。
ところで、書籍の世界は雑誌とは違った見方をしてるんだけど、こっちは流通の問題も絡まってくるからもっと複雑。今度機会があれば話をさせてほしいな。
アレッ、話が暗くなっちゃった。そうね、前向きじゃないとだめだよね。
ということだから本屋に行こうか。