∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

もうお付き合いしません

【また進んだかな】

 「もうお付き合いしません」。
今日、友だちから届いた文面にはその一行だけが書かれていました。
 僕のファーストインプレッションは「なんだ、コレ」。当然です。ここ数年、毎日2回メールのやり取りをし、月に一回は定例会を開催し、コンピュータの調子が悪くなれば電話でサポートし、何のトラブルもなく過ごしてきたのですから。

 「コレってどういうことですか」と返信したところ、1時間ほどして奥様から電話がかかってきました。
 「この頃、時々こういう状態になるのよ」。「突然言い始めるから気が気じゃなくって」。「ちょっと酷くなってきたわ」。

 おかしいなと心配していたのですが、どうも心配は的中したようです。「身近にいる信頼している人ほど攻撃対象に選びやすい」という認知症の症状が出始めたんでしょう。要介護2と3を行ったり来たりしてきたとはいえ、この症状はほとんど出ていなかったんです。この7年間で明らかに進んだのは記憶障害や感覚障害がほとんどで、身近な人間を拒否するような行動はなかったといっていいでしょう。
 ところが、この数ヶ月、最初に奥様に向けて症状が出るようになり、今度は僕に順番が回ってきたようなのです。奥様には判ったから大丈夫と伝えましたが、彼女は取り返しのつかないことをしてしまったと恐縮するばかり。このままでは彼女のほうにダメージが溜まってしまうのではと感じるほどでした。

 症状が穏やかになるまで少し距離を置くことにして、奥様に諭された彼が自発的に連絡してくることを待つことにします。逆説的な考え方ですが、今日言ったことは数日で記憶の奥底に仕舞われてしまうという症状が利用できるはずですから。

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