
残暑厳しきなか──
ちいさい秋、ちいさい秋、
ちいさい秋、みつけた
二十四節季の『白露』の節季が始まった。『暦便覧』には「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と帰されているが、東京都心部で朝露が降り葉の表面に水滴が付いているところを見ることはない。相変わらず厳しい残暑に見舞われている。
二十四節季につきものの季節感のズレは、明治維新の際、旧暦から新暦に変わった時点で季節感を無視して日付だけを優先した結果生じたものだったが、昨今のズレは気候温暖化が主な原因になっている。そのため、カレンダー上では季節感の変化を予測できなくなってしまった。
たかが季節感のズレなんてどうでもいいじゃないかと言うなかれ。
収穫時期を予測する目安のひとつにしていた農業や漁業にとっては大問題である。また、都会に住む人間にとっても秋なのに真夏という違和感のなかで過ごすことになる。このままだと、もともと『白露』の時期を想定して作詞された童謡『ちいさな秋みつけた』に至っては歌われる時期さえ失いそうだ。
「ちいさい秋みつけた」なんていう日本らしい風情を楽しめるのはいつになるんだろう。いや、本当に秋は来るんだろうか。
==[season15]Sep.07 2025 白露初候 ==
〈BUILD with the light 1/3〉
Through the Stained glass
Tokyo National Museum, Ueno Park Taito City
Photographed on Mar.01 2025