∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ ズレはズレとして楽しむ ≡≡

穀雨次候始まる-
季節感のズレこそ
農耕歴の大らかさのしるし

 昨日4月25日は穀雨次候が始まる日だった。江戸時代にまとめられた『本朝七十二候』によると「霜止出苗(しもやんでなえいづる):霜が終り稲の苗が生長する時期」ということになる。
 旧暦と新暦の関係で季節感がズレることもしばしばというのが農耕歴だが、さすがに4月の下旬に“霜止んで”はないだろう。いったいどこを基準にしていたのか探ってみたくなる。

 一年を二十四等分したものが二十四節気で、それを各々三等分したものが七十二候である。それぞれの節季は15日間、候は5日間で変わっていく。
 どうもこのスパンの長短に季節感のズレの原因があるのではと私は想像している。要するに七十二候の移り変わりが早すぎるのだ。
 15日間なら「暦の上では……」ということわりを付けて語ることもできるが、5日間だとそれも不可能に近い。
 ちなみに、あと3日でやってくる末候は「牡丹華(ぼたんはなさく):牡丹の花が咲く頃」。季節感のズレは完全に修正されている。

 まあ、いい。ズレはズレとして楽しませてもらおう。ひょっとすると、いにしえの人々の大らかさまで感じられるかもしれないのだから。
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[season13┃26 Apr. 2023┃12:30 JST
┃CHERRY BLOSSOM in YANAKA 8/9┃
falling sakura, yanaka cemetery, taito city.
Photographed on 31 Mar. 2021