∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

アレッ、乗り過ごした

【ここはどこ?】


 やっちゃいました。
 渋谷から山手線で品川へ行こうとしていました。偶然、席が開いていたのでちゃっかりと座り、バッグから文庫本を取り出し読み始め……。ここまでは良かったのです。ところがその本があまりにもおもしろく、信じられないくらい集中してしまい……。


 浜松町に着く寸前、気がつきました。


 「アレッ、品川の手前に浜松町ってあったっけ? アッ、乗り過ごした! ちょっと待てよ、浜松町って品川の次だっけ? 田町はどこ行った? エッ、そこも乗り過ごしたか……。ウーン、やっちゃったよ」と頭の中は大混乱。身体はまだ駅に着いてもいないのにドアへ速足で近づいていました。ふと気がつくとさほど暑くもないのに汗だくになっています。しかも駅に着き開いたドアは逆側。もうこうなるとアタフタ、オロオロしている“情けないオヤジ”状態満開です。


 とにかく降りて、階段を速足で駆け上がり、品川に逆戻りしたわけですが、結果的には10分ほど無駄にし、無駄な緊張感に包まれたうえに喉も渇き……。
 そんな呆然とした状態の中、突然「情けないったらありゃしない」と、落語に出てくる“おかみさん”がおっちょこちょいの“はっつあん、くまさん”の動作を見てつぶやくような言葉が出てきました。


 浜松町から品川までが「たったふた駅だけど、とてつもなく長いふた駅」になってしまいました。かといって大好きな車内図書館体制を止めるつもりは毛頭ありません。ちょっとだけ集中度を下げればいいのですから。


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