【汚染水問題】
オリンピックの最終プレゼンテーションで安倍首相は「原発の汚染水は完全にコントロールされている。日本は安全だ」といった発言をジャーナリストの質問に答える形で発言しました。
各国のジャーナリストは、一応納得したようですが、本心では「お話しはお伺いしました。本当ですね、調べますよ」といったところでしょう。
そんな中、日本のジャーナリストは批判というよりも疑問符付きで報道する立場を取ったようです。それも街角インタビューで代弁者を探すというスタイルでの報道です。
安倍首相としては、立場上、言わざるを得なかったのではないでしょうか。確かにあの場で「収束は困難」とか「安全は確保できない」とは言えませんからね。
しかし僕は、あの発言があったおかげで、やっと日本が直面している最重要課題解決に向けてのスタート地点に立てたのではと考えています。
「ああ、言っちゃった」が「あれでエンジン掛かったな」に変化してくれることを切望しているのですが、現実はどう推移していくのでしょう。
ただ、あの言葉で官僚機構や関係各社が効果的で迅速な動きを見せてくれるのかどうかという“現実”に対しては疑問符だらけです。
ここまで2年半、まるで「モグラたたき」のような対策しか取ってこなかった東京電力、大株主として正鵠を得た指示を出せなかった政府。そんな対応を見続けてきた日本人にとっては「ホラ吹き首相と、事なかれ企業」の新たなキャンペーンとしか思えないのですが……。
ともあれ、あれだけ“重い”発言です。あと数年で、日本は変われるんでしょうか。
きっかけがどうであれ、発言が形になる時が来ることを待ちたいと思っています。
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