∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

微妙な決定

【PKOの旗のもと】


 「南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の銃弾1万発を国連経由で韓国軍に無償で譲渡することを決めた。菅義偉官房長官は同日談話を発表、銃弾提供を武器輸出を原則禁じる武器輸出三原則の例外とした。」。(日本経済新聞電子版より)
 日本政府の微妙な判断を伝えるニュースが飛び込んできました。


 紛争の中、避難した人々を護衛するために必要な小銃弾を多く所有していたのが自衛隊南スーダン駐屯部隊だったため、人道的かつ緊急処置として無償で提供するということのようですが、僕にはどうしても微妙な判断のように思えてなりません。
 武器を使うなとか、どこまでも非武装平和をといったような心情的なキレイ事で済まされない状況だということ、韓国軍が自身の身を盾にして避難民を守っているのに対して、武力行使に厳密な規定のある自衛隊が宿営地内での活動だけに制限していることなど、状況を考えればやむを得ない決定だと思います。
 しかし、集団的自衛権を中心とした憲法改正特定秘密保護法、そして安部首相の強力な国際平和論などこれまでタブーとされてきた問題や姿勢が表面化してきている今、たとえ”人道的”という言葉がついたとしても、今回の武器提供も“前例”となるような気がしてならないのです。それも大掛かりなものとして。
 PKO協力法では武器の提供や輸出は許されていません、これまでの政府答弁では銃弾の提供は想定していなかったはず。それなのに……。
 今回の決定が官房長官の発言のように「武器輸出の三原則のなかでの例外」だとしても、例外の範囲を広げて、なし崩し的に従来の方針を変更していくのではないかと、どうしても疑問が残ってしまいます。つまり、特定秘密保護法に時と同様に「最低限の説明と最大限の範囲をカバーする決定」ではないかと勘ぐってしまうのです。


 今回の決定は武器の提供ということよりも政治の独断専行的な姿勢のほうに問題があるように思うのですが、いかがでしょうか。


[1154]