【小銃弾提供、その後】
「南スーダンに駐屯する韓国軍の宿営地に現地反政府軍が迫ってきている。余裕はあるものの一時的に小銃弾一万発を自衛隊から提供願いたい」。
そんな依頼から始まったことでした。
「PKO協力法では銃弾は武器に当たり、本来なら禁止されている武器輸出に当たるが緊急性と人道的見地から例外的措置として国連経由で提供する」。
日本政府の対応を簡単にまとめるとこのようになります。
それなのに……。韓国メディアが伝えるところによると、例外的に認めた人道的措置が違った様相を呈しはじめているようです。
「軍の見通しの甘さが韓国で反発の強い安倍政権の安全保障政策を後押しすることになったという批判とともに、日本が集団的自衛権の行使など政治的な問題に利用しようとしているという日本への批判も高まっている」。(NHK電子版より)
しかも韓国政府高官が「今回の銃弾の提供で、政治的に問題が広がらないよう努力を求めた」とのこと。
どこかおかしいと思いませんか。貸してくれと言ったほうが貸したほうに「今回のことを政治的に利用して大事にしないように」と言っっているように聞こえるのですが……。
韓国は礼節を重んじる儒教の国のはずなのに「他人からモノを借りた後で、それを貸した人間を批判する」というのは、いかがなものでしょう。納得できません。
まずは国内で意思統一を経った上で冷静な対応をすることが必要なのではないでしょうか。何もかもを国際政治の場に引き出せばいいというものではないはずです。少なくとも、目の前まで敵が迫ってきていると言われる軍の現状を報道したうえで、政府として世論を真正面から受けとめることが必要ではないでしょうか。
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