∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

お盆期間中の「男の寄り合い」

御茶ノ水の喫茶店で】

 お盆期間中とは言っても、やることはやらねばと御茶ノ水まで出かけました。JR御茶ノ水から駿河台下へ坂を下っている途中で、街がやけに静かでいつもと違うことに気が付き「これが夏休みなんだな」と改めて実感しながら目的地へ。
 明治大学も日大医学部も夏休み中。メインテナンスの人たちがいるだけのようです。御茶ノ水に出掛けた時は必ず寄ると言っていい古書店もお休みです。とにかく街が静かで、知らない街に来てしまったような錯覚に陥ってしまいました。

 ヤボ用を済ませてお気に入りの喫茶店に入りました。正直言って、気分は「開いててくれてよかった」です。で、コーヒーを飲んでいると、近くに座っていたグループの話が耳に入ってきました。
 「洗濯より掃除が大変なんだよね」という話が出たかと思うと、次は「海軍主計学校は難しい学校だった。超エリートだけど、身体検査で不合格になったような人が多かったな」と。彼らは僕の後ろにいました。つまり主役たちの顔が見えないんです。ということで、チラッと脇見をして判りました。かなり年配の方たち4人組です。なにしろ見た目からして戦争体験のある年齢のようですから。
 おそらく、奥様が亡くなって今は一人暮らしといったところでしょう。お盆直前に久しぶりに会おうじゃないかと誘い合わせたのではないでしょうか。お盆ということで、亡くなった奥様をご自宅にお迎えしたあと、久しぶりに「男の寄り合い」を楽しんでいらしたのではないでしょうか。
 「こういう生き方もいいなあ。あと20年もしたら僕もこんな生き方をしてみたいなあ」。そんな寂しくもあり、楽しくもある思いを心に秘めて、静かな街へ逆戻り。不思議なことに、それまでの暑さを心地よく感じている自分に苦笑いしながら坂をノンビリと上がっていきました。

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