私の心を揺さぶり、
励まし、
勇気を与えてくれたコメント
──『リアル二刀流/ショータイム』──
今年の『ユーキャン 新語・流行語大賞』が発表された。年間大賞はMLBロサンゼルス・エンゼルズ大谷翔平選手に付けられた“勲章的”ニックネームである。アメリカと日本両国でこの2語に異論を挟む人はいないだろう。
大賞以外のトップテンやノミネートにオリンピック関連とコロナ関連が多かったのもこの一年ならではだろう。
その発表とは別に、今年聞いたコメントの中に私自身に化学反応を起こすくらい強いインパクトをもったコメントがある。
パラリンピックの自転車競技で金メダルを2つ獲得した杉浦佳子さんのコメントである。薬剤師を生業としていた彼女は趣味で続けていた自転車競技の練習中に大事故に見舞われ、高次機能障害と右半身の機能障害を背負う障害者になったが、それでも練習を続け、とうとう世界の頂点にたどり着いたというスーパーパーソンである。
その彼女が1つ目の金メダルを取った時のインタビューで語ったコメントが今回のTOKYO2020でもっとも私の心を揺さぶり、励まし、勇気を与えてくれたコメントだった。
☆☆☆☆☆☆☆
「最年少記録は二度と作れませんが、最年長記録はまた作れますよね。これまで年齢はネガティブワードでしたが、そうではなくなったので年齢が次の目標になりました」。
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「事故については覚えていません。いいことしか覚えていないんです」と障害についてひと言も言及しなかった彼女は50歳。トップアスリートとしては充分に高齢である。
それ相応に齢を重ねてきた私の信条は「まだまだ現役、死ぬ時がリタイヤする時」だが、そんな私も「年をとったワイ」と弱音を吐いてしまうことも多々ある。彼女に言わせれば「諦めてどうする」ということになるのかもしれない。
あのコメントを聞いてから3カ月。聞くまでは、時として諦めの境地に陥ってしまいそうになることもあった私の気持ちに大いなる化学変化が起こった。
──常に前向きに、諦めることなく、自分を高め続ける──
素晴らしいコメントが、萎えそうになっていた私に力を与えてくれた。今年、私が出会うことの出来た新語の中ではこのコメントがベストと言い切りたい。
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[season12/1201/24:45]
『小雪』‥冷たい雨が雪に変わる。年の瀬の忙しなさが間近に迫る頃
photograph:ogubashi avenue, nippori, tokyo
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