この続きはコーヒーと一緒に

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 『青春って、すごく密なので』 ≡≡

一時の流りではなく
伝えられていく言葉

 世の中がサッカーのスペイン戦勝利一色に舞い上がっている中、一日遅れで『新語・流行語大賞』を。

 大賞に選ばれた「村神様」はこれぞ流行語と言うに相応しい流行語だ。ノミネートされていた「きつねダンス」もその部類だ。一方で「国葬儀」や「宗教二世」は深い傷跡を残しながらもいまだにくすぶっている言葉が選ばれたといってもいい。

 そんななかで私は、夏の甲子園で優勝した仙台育英高校の須江航監督が優勝インタビューで語った「青春って、すごく密なので」が選考委員特別賞を受賞したことのほうに意味があると感じている。

 東日本大震災で未曾有の被害を受けた東北の高校生たちは震災からの復興半ばの地でコロナ禍にいじめ抜かれてきた。
 たとえ震災の影響がなかった地域の高校生たちも、子供の頃から震災を我が事のように捉えて育ってきた。そして、コロナ禍に痛めつけられてきた。
「密」が当たり前の世代が感じているはずの「疎の生き方」を婉曲的に表現することで世代の心情をひと言で言い表したこの言葉は、苦難と不自由の中を懸命に生き抜いている世代への応援メッセージでもあるだろう。

 今、この言葉には特別な感情が込められている。だがしかし、10年後20年後にはこの言葉が“青春そのもの”を表す代名詞になっているはずと私は思っている。
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[season13┃02 NOV. 2022 ┃19:20 JST
小雪』‥紅葉は最終章へ。山にはハラハラと雪が舞う。
AUTUMN SCENE:suwa-jinja, nishi-nippori, arakawa city
Photographed on  02 DEC. 2021