節分の夜が明けて
今日、春が始まる
やっと『立春』の節季がやってきた。まだ寒さが厳しくて実感はできないが、自然は着実に歩みを進めている。とにかく、今日からは春である。
江戸時代の『暦便覧』で「春の気立つを以って也」と記されているように、今はまだ春の気配を感じるだけで満足しなければいけないが、すぐそこまで春はやってきている。
二十四節気をより細かく表した七十二候でも、初候の「東風解凍(こちかいとう:はるかぜこおりをとく)や、末候の「魚上氷(うおこおりをいずる)」というように氷が溶けていくサマが取り上げられている。
また『立春』は、季節の移り変わりを細かく取り上げている雑節の起算日でもある。たとえば八十八夜や二百十日は今日から何日目と数えているわけだ。
正月が一年の新年だとすると、今日は季節の移り変わりの新年ということになる。
古来からこの時期は「梅が咲きはじめ、うぐいすが「初音(はつね)」を聞かせ、野辺にはふきのとうが芽吹く時期とされてきた。また、災いよけに左右対称の文字を組み合わせた「立春大吉」の御札を禅寺で戴いて飾る風習も残っている。
不思議なもので、もうすぐ春がやってくると想像するだけで、なんとなく気持ちが和み、希望も膨らんでくるものである。
もちろん、単にウキウキするだけでもいいが、どうせなら、今年の抱負を実現させるためにギアアップする時と捉えると『立春』の意味合いも変わってくるような気がしている。
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[season13┃04 Feb. 2023┃11:50 JST]
『立春』‥春の始まり。雑節(自然暦)の起算日。立春大吉。
:ROUBAI(winter sweet):ueno toshogu botan-en, taito city
Photographed on 28 Jan. 2022