∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

〓〓 御影公会堂 〓〓

昭和初期に造られた歴史的建造物で食す
超絶のオムライス

 阪神電鉄石屋川駅から “山っかわ” へ徒歩5分。古風な雰囲気をたたえた建物が静かに佇んでいる。神戸で生まれ育った私だが、住んでいた地域と離れているため、ラジオやテレビの公開収録でしかその存在を知らなかった施設である。

 もともとは神戸(というよりも阪神間の)酒造メーカーとして成功した加納家が神戸市に資金を寄付して建造された施設で、建造当時から公会堂として活用されてきた施設である。ちなみに神戸市に寄付をした加納家の縁者には、柔道の祖、嘉納治五郎がいる。

 建造当初から地下1階には食堂が設けられ、その存在は「ハイカラな洋食を食わせる高級な食堂」として、利用者だけでなく阪神間の食通の間で特別な存在とされてきた。もちろん、現在「神戸洋食」と言われるようになったジャンルを創ったレストランといって間違いはない。
 伝統的建築物の地下(正確に言えば半地下?)に位置するそのレストランのインテリアは、重厚でクラシカル。文字通り、古き良き時代を彷彿とさせるものだ。
 メニューには「有頭海老のフライ」「ビーフシチュー」「ビフカツ」「カニクリームコロッケ」「ハッシュドビーフ」など、現在の神戸洋食の中核を構成するものが並んでいるが、なかでも「オムライス」はこの以外では味わえない絶品である。

 ひと口食べるだけで、薄い玉子焼きで包まれたライスも添えられたソースもシーフードとトマトで作られたものだと分かる。きっとケチャップは使っていないはずだ。
これとビフカツや有頭海老のフライを食して満足しない人はいないと確信している。
 ちなみにワガママな私は、メニューにないのにも関わらず無理を言って、ビフカツセットに付くライスをオムライスに変えてもらって食している。

 歴史的建造物の中で食する伝説級の神戸洋食。まさに “ウマいものココにあり” である。

≡≡[season14]25:30/Jun.22.2024 夏至初候 ≡
┃GOOD OLD DAYS 1/3┃
-Mikage Town Hall-
Ishiyagawa, Kobe city.
Photographed on Apr.23 2023