∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ゴールドの色

ゴールドの価格が史上最高のペースで高騰している、と世間で話題になっている。ニューヨークのマーケットが主要な市場になっているが、今日はサンフランシスコの市場で先物の最高金額が付いたらしい。日本の金価格も連動して上昇するはずだ。
ゴールド市場で取引されるのは24金、いわゆる純金だが、通常ジュエリーに使われるのは18金である。つまり、75%の純金に25%分の金属を混合したものが18金なのだ。日本で最も一般的な18金を例に取るとイエローゴールドには銀と銅、ピンクゴールドには銅とパラジウムと行った具合いである。
ちなみに、混合率は時代や国によって違っている。たとえば、50年代のアメリカでは14金(フォーティーンカラット)が主流だった。また、現在の日本では10金のジュエリーが着々とシェアを広げている。国別でいうとタイでは20〜22金がゴールドジュエリーの主流になっているし、中国では24金の造形物が多く作られている。
とは言っても、世界で最も愛用されているのは18金。それもイエローゴールドである。しかし、国によって微妙に色合いの好みがあるのだ。日本のイエローゴールドを基準にすると、イタリアは少し赤みが強い。フランスはどちらかというと白い。イギリスは青い。中国や香港では黄色味が強い。まさに国民性や金に対する考え方の違いが出ているわけだ。ちなみに時計に使われるピンクゴールドは一概に赤みが強い。もちろん、デザインにも関係してくる。ざっくりと分けると、イタリアン・ジュエリーはボリュームがあってインパクトが強く、フレンチ・ジュエリーでは繊細な印象が強くなる、といった具合い。単純にデザインで選んでいるように思っていても、ゴールドの色がジュエリーの存在感を作り出す重要な要素だと気が付いている女性は、よほどのジュエリー好きと言っていいだろう。
ところで、ジュエリーが好きな女性なら経験があることと思うが、特にピンクゴールドのジュエリーをリメイクしようと思うと上手くいかなかったり、時には断られたこともある。実は、銅やパラジウムの配合率が解らないと正確に色合わせが出来ないからだ。
なお、現在の日本で利用度が高まっている10金の色は、日本の18金に限りなく近い色になるような配合になっているので、プロ以外が見る場合、18金と変わらなく見えるはずだ。
ゴールドがマネーゲームの対象として市民権を得てから久しい。確かにIT関連での利用が急拡大し、従来とは違う視点で見られるようになったのでやむを得ないのだが、宗教用具や宝飾品に使われていた時の「神秘姓」がどんどん無くなっていく現状に納得がいかないところもある。
蛇足だが、金相場は上昇しているが、円高の今よりも、数年前の円安時のほうが日本の金相場は圧倒的に高かった。つまり、金の価格上昇が止まっても円安になれば、その上昇率は非常に高くなる。ここに日本の金相場のスイートスポットが隠されている。
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