∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

〓〓 祭はそら豆が連れて来る 〓〓

祭が終わるまではそら豆が主役

 大型連休が終わるとともに東京の下町では “祭” の季節が始まります。台東区千代田区を中心としてほとんどの神社がこの時期に夏の祭礼が行われるため、大袈裟ではなく、土日はどこかしらで神輿と祭半纏姿の担ぎ手に遭遇するはずです。
 大祭なので木曜金曜が本殿で行われる神事、土曜日曜が神輿の渡御というのが習わし。一般的に “お祭り” といわれて観光客が押し寄せる前から祭は始まっています。

 例年通り神田神社神田祭)と下谷神社(下谷祭)で神輿の渡御が5月11日~12日に行われるのを皮切りに、18日~19日には三社神社(三社祭)と続き、6月9日の鳥越神社(鳥越祭)や6月17日~18日の三島神社三島神社例大祭)でひと区切りつけるまで、東京下町は “祭” が主役です。

 ところで、特に三社祭の氏子のなかには「祭が終わるまで酒のツマミはそら豆だ。枝豆はその後だ」という都市伝説が浸透しています。

 4粒ほどの豆の入ったサヤが上を向いて育つため「威勢がいい」「上昇志向」の豆とされ、漢字で書くと「空豆」。浅草あたりの居酒屋では「天豆」と書く店もあります。
 要するに、威勢と粋が信条の下町っ子にとって「そら豆」はゲン担ぎを兼ねた季節モノなわけです。
 ちなみに、この時期の浅草あたりの居酒屋でそら豆がない店は下町の粋を理解していない証拠。在り来りのツマミしか出ない店といっても言い過ぎではありません。

 そら豆をツマミにしながら祭の日を待つ。これこそ神輿の担ぎ手でもある氏子連の心意気なのです。

≡≡[season14]24:00/May 06.2024 立夏初候≡≡
┃COLORFUL BASIN┃
-Competition of the flowers-
Kanda-myoujin, Chiyoda City.
Photographed on May 16.2023