∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

復讐の時間

◇今日、オサマ・ビンラディンが殺害された。
◇2001年9月11日、世界を震撼させた、アメリ同時多発テロが起こった。
 現在ではグラウンドゼロと呼ばれているニューヨークのワールドトレードセンター・ツインタワーに、ハイジャックされた2機のジェット旅客機が突っ込み崩壊、その後、ペンタゴンにも1機が突っ込んだ、あの事件である。
 テレビニュースの中継中にジェット旅客機がタワーに突っ込むシーンや、タワーそのものが崩れ落ちるシーン、逃げ惑う人々などが次々と映し出されるのを見て、映画以外でこんなことが起こるなんて信じられず、いたく動揺したことを今でも覚えている。
◇この時から、アメリカは国家の威信を掛けた「復讐」に乗り出した。
 [9/11=September Eleventh]。時のアメリカ大統領、ジョージ・ブッシュは、世界に向けて「テロとの戦い」を発信し、アフガンに侵攻、ターリバーン政権を倒したのち、アルカイーダを殲滅した。
 そして、その時の誓いでただひとつ実現していなかったオサマ・ビンラディンの逮捕(実際には殺害だったが)が、ようやく今日実現したわけだ。
◇あの時から世界中でテロ対策が強化されたが、防御だけでなく、目に見えないところでは、ずっと闘いが続いていた。
 時折、ビンラディンのメッセージが発信されることはあっても、アメリカがどのように行動しているかは公表されることはなかった。まさにCIAの執念にも似た隠密の捜索が続き、とうとう昨年8月に確たる情報を入手、この4月29日にオバマ大統領の承認を受け実施されたものだという。
◇10年7カ月間、アメリカはずっと復讐のためのオペレーションを続け、成し遂げた。
 復讐のためにひとりの男を探すことは容易ではない。きっと国家の威信だけではなく、すべてのアメリカ人の内なるパワーが結集し、実行部隊を駆り立てたのだろう。
 あの事件の時、ワールドトレードセンターにいた日本人24名も犠牲になった。ビンラディンを殺害しても、亡くなった方々が生き返ってくるわけではない。しかしこれで、亡くなった方々の関係者にもある程度の「心の整理」がつくのではないかと僕は思っている。
◇今日の出来事で、きっと報復テロが起こるだろう。だが、その脅威も長続きはしないはず。というのも、テロのような狂気の波は先導する指導者がいなくなれば、分裂し、自己解体していくもの。次に別の狂気集団が出現するまでは、ある程度の平和は保たれるものではないだろうか。
アメリカは復讐の時が来るまであきらめなかった。そしてこれからも、アメリカ国民全員の力を結集して、テロ撲滅に向けて精力的に動き続けることだろう。
[176/1000]