∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

極私的カタカナ新語:第一弾

◇今年の3月から今日まで、いくつか非常に重要なカタカナ表記の新語が出てきた。
 あまり難しい勉強をしてこなかったためか、正直なところ、初めてその言葉を聞いた時には「それって何?」という感想の方が先に立って、意味するところを理解できなかったが、ようやく、耳に馴染んできた。日本語表記の難解語も多いのだが、こちらは漢字の意味を考えながら、なんとか食らいついている状況。まずはカタカナ語を理解せねば。
 そんな気持ちになっていたところ、もう充分だと思っていたのに、昨日あたりからまたカタカナ語が増えた。そろそろ、このあたりで一度まとめないと、僕の非力な頭では整理が出来なくなりそう。重要語と気になる言葉だけでもメモしておこう。
◇【シーベルト】3月12日の夜、生まれて初めて聞いた。その上、ミリだとかマイクロだとかの単位の話まで出てきて、何が伝えられているのかも分からなかった。「数値が数十万なので大変なことになったのかな」程度の理解しかあの日はできなかった。想像だが、枝野官房長官も、報道スタッフも理解している人間は原子力関係者以外、ほとんどいなかったのではないだろうか。近頃ではあまり使われることもなくベクレルという単位にとって代わっている。つまり、この時から影響を受ける市民の側に立った感覚は欠けていたではないだろうか。
◇【ベクレル】3月下旬から使われるようになった言葉で、この時にはシーベルトとの違いや安全基準との比較もされるようになり、理解するまでにあまり時間は掛らなかった。もちろん、理解しただけで「だからどうなのよ」という実際に身に降りかかる現実がどうなのかは漠然としている。今でも切実感は薄い。やはり僕にとっては、学問領域から抜け出ていない言葉のひとつである。
◇【スキーム】直約すると「注意深く練られた計画」あるいは「事業計画」。ビジネス上ではよく使われる言葉だが、現状の報道の中で使われると「たくらみ」とか「策動」という意味ではないかと、深読みしてしまった。ここからも慎重に、深読みしながら、聞かせてもらおうと身構えている言葉である。
◇【リスクマネジメント】原発問題の補償から出てきた言葉。経済用語として使われているので素直に聞けるが、銀行や株主、あるいは隠れた受益者にとっては、冷水を浴びせられるような言葉だろう。しかも、これまで資産のことを安直に考え過ぎてきたのだからその落ち込みようは想像を絶するものがあるのではないだろうか。冷静に考えれば当然のことなのに。
◇【ペアリング支援】被災地支援の新たな形として注目されているスタイル。元は中国・四川省の大地震の復興計画で使われたものを日本風にアレンジしたものだという。現在は関西の自治体がそれぞれ担当地域を決め、東北各地の自治体を受け持ち、横の連絡を密にしながら復興を担っている。
 この支援方法は「関西広域連合」という発想を熟成させている関西圏ならではのもの。従来のような、政府任せ、被災自治体任せ、そして事業者任せでは時間も資金も掛り、そのうえ被災者が受けるメリットも限られてくることを自らの経験を通して知っているからこそ出来た支援の方式だと思う。きっと大きな成果を上げるものと僕は確信している。
 この2ヵ月で、この言葉だけが素直に納得できた。
◇新しいカタカナ語や難解語が飛び交う今、それを理解するだけでも大変だが、同時に、そんな言葉が一般語になった頃、完全にライフスタイルが変わっていると確信するようになってきた。
 これからは事態の推移を見守るだけではなく、僕自身がどうするべきか、しっかりと見定めながら前進していかねば、と改めて自分に言い聞かせよう。
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