∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

変人への道

【変人の勧め】


 先日出会った元同僚との話の中で「表現者には変人しかいません。みんなで変人になろうってところですね」という話が飛び出してきました。僕も即座に賛成しました。
 僕が以前在籍していた会社もそうですが、チームワークを大切にするため、どうしても常識的な仕事の流れを優先させる一般企業では「出るクイは打たれる」の格言通りに、一度でも「変人」と思われた人間はずっと警戒されることになります。
 しかし、クリエイティブな分野で活躍している人たちや起業した人たち、あるいは優れた工芸品を作りだす職人たち。はたまた人を楽しませるワザを熟知した芸人と呼ばれている人たちなど、一芸に秀でていたり、自分の仕事に自信を持っていたり、将来に大きな夢を抱きながらそこに向かって進んでいる人たちには、ほかの人たちには備わっていない「信念」のようなものがあります。それが、時として周囲の人たちからは「変人気質」と見られがちな性格が見受けられます。
 となると、僕が何かを「表現」したいと思った瞬間、僕も「変人」への道を歩み始めたということでしょうか。それとも、数年前に退職してのんびり過ごせばいいものを起業してもう一度走りまわろうと考えた瞬間に変人への道は始まっていたのでしょうか。
 何かを極めようとすればするだけ意思も強固になる半面、厳しさと甘さとの線引きが変わってきたり、視線や思考に変化が起こったりするものです。たとえば、多くの人が弱気になってしまうところでもポジティブに対処してしまったりする「へそまがり」や「意地っ張り」に変身することもあるでしょう。


 こんなことを考慮に入れると、僕にも充分に「変人」になる資格はあるようです。もちろん何かを表現したり、もう一度起業したりする実力とは別物。こちらには実力が伴わないとそれなりの成果は上がりませんが、変人になるのは簡単です。「普通」や「常識的」「右へならえ」という言葉と決別することで、ある程度は変人化は完了したことになると極言してもいいくらいだと思っています。


 といいつつも年齢とともに蓄積してきた経験や知識、体力の減少などが変人への道を険しくしてしまうことが考えられます。そこをどうやって乗り越えるか、いや、すり抜けるかが問題になるでしょう。しかし同時に、その乗り越え方にも蓄積した経験が役に立つことも多いでしょう。


 いろいろな事を考えていると、「変人になるって難しいぞ」という結論に落ち着いてしまいそうです。これでは、元も子もありません。難しく考えずに素直に変人への道を歩き始めるのがいいようです。


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