∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

フェイスブック上場

【IPO】


 とうとう、あのフェイスブックがナスダックに上場するという話題が世界中を駆け巡っています。今の僕にはIPO株を取得する抽選に参加する資金もなく、傍観するしかないのですが、それでも興味津津。
噂では市場価値が現在の20倍以上になること間違いなしとのこと。つまり、参加できれば数秒間の間に資産が20倍以上になるわけです。
 ちなみにフェイスブックの市場価値は2兆円を超えるだろうとも伝えられています。
 数年前、グーグルが上場した時もそうでしたが、インターネット系企業が新規上場した際、その企業はもとより周辺企業の価値が急上昇するのも注目に値するところ。今回も多くの企業の資産価値上昇が見込まれているようです。


 それはさておき。今回の上場で気になることがひとつあります。それは、創業者であり、現在も30%近い株式を保有しているザッカーバーグ氏には一般株の10倍の議決権を与えられる「種類株」が割り当てられたうえに、既存の株主からも議決権を代理執行する権利を得ているという点です。つまりどんなに上場して新規株主が増えてもザッカーバーグ氏が経営権を独占するわけです。
 たしかグーグルやグルーポンが上場した時に採用したテクニックだと思うのですが、伝統的な「株主の平等権」という視点から見ればいかがなものかと疑問を挟まずるを得ません。議決権放棄の米国株を買うことが多い日本では、あまり意識することでもないように見えますが、株主の総意という株式会社の原則からは離れていること。特に独裁体制になった時のリスクははかり知れません。


 もう昔の話になりますが、デビアスやLVMHが自社株を買い戻して上場を廃止し、経営陣の力で独自性を保ち、いっそうの拡大を図るというテクニックなら「退路を断った進展」という哲学がよく理解できるのですが、今回のような「欲しいのは資金だけ。口は出さないでくれ」という種類株の採用は、経営としてはよくても、公開企業としてはいかがなものだろうと考えてしまうのです。
 なにしろアイデアは画期的だけど、自分中心でお金に対しては貪欲と噂されることも多いザッカーバーグ氏のこと、どこかで方向転換しないことを祈るばかりです。



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