この続きはコーヒーと一緒に

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

超私的・桜クルージング

【寄り道がてら】


 御徒町へ行く途中、いつもと違う道を通り、ちょっと寄り道もして一人花見をしてきました。


 まずは西日暮里駅近くの諏訪神社へ。氏神様ということで初詣には行くけれどそれ以外はご無沙汰している神社なので、あまり期待はしていなかったのですが、行ってびっくり。境内の数本の桜が枝を張り、すっかり「桜の天井」を作ってくれています。散り頃に行けば桜のシャワーが浴びれるかも。


 いそいそとお参りをした後、諏訪台通りを寛永寺方向へ。以前は地元の人だけが知る名所だったのに、とあるスイーツ・ファクトリーが出来た後、誰もが知る存在になったポイントへ行ってみました。
 途中の谷中霊園では、一般の花見客が通り過ぎすなか、お墓の前でご先祖様とともに楽しむグループが。いわば「桜のお彼岸」状態です。
 そして、お目当てのポイントへ到着。相変わらず人は多いものの「桜のトンネル」は健在でした。このポイント、ちょうど散り頃に行くと「桜の花びらで満たされた円筒」の中を通っているように錯覚しそうになります。思わず今年も行けるかな、などと思いを巡らしてしまいました。
 寛永寺の根本中堂にも行ってみました。静かな境内の中に桜の大木が数本。もちろん満開です。それにしてもこの境内にある幼稚園の園児たちは、こんなに立派な桜の下で遊べるなんて羨ましい限りです。


 東京藝術大学音楽学部の桜を愛でながら上野公園に。大混雑が想像されるので覚悟は決めていたのですが、想像以上でした。歩くこともままにならない状態です。未だに公園の改良工事が続いているために枝垂れ桜や開き始めているはずの八重桜はフェンスの向こうに。楽しみは来年までお預けのようです。
 上野公園はここだけ確認できれば満足です。いわゆる名所は「桜の花びらよりも見物客のほうが多い」状態なので迂回します。数日前の早朝、七分咲きの桜並木の下を自転車で走り抜けたので充分です。
 上野駅周辺をグルッと迂回して税務署の駐輪場に自転車を置いて不忍池へ向かいました。ここも人だらけなのですが、満開の桜が水面に映し出される光景は「日本の春」そのものです。


 そんな寄り道をしながら御徒町にようやく到着。そこまでにも黒門小学校の桜のようにひっそりと咲く桜を見ながらゆったりと自転車を走らせました。
 いわゆる名所もいいけれど、こんな「一本桜」も風情があっていいなとか、「一人占めの桜見物」ほど贅沢なものはないななどと思いに浸りながらのクルージングです。用を済ませたら上野の「みはし」で桜もちを買って帰ろうと思いながらウロウロしているうちに、とうとう目的地へ到着。ザワザワとした現実の世界に戻されてしまいました。


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