∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

This is AMERICA

【セルフ・ディフェンスとプライド】


 銃規制法案否決とボストンマラソン爆破事件。ふたつの動揺がアメリカを蔽い尽くしていますが、同時にこの二日間は「アメリカがアメリカであることを証明した二日間」とも感じています。


 昨年、コネティカット州で起こった銃乱射事件をきっかけにした銃規制法案がアメリカ上院議会で否決されました。原案をかなりトーンダウンして提案したにも係わらず否決されたことに対してオバマ大統領は『ワシントンの恥ずべき日』とコメントしました。
 当然でしょう。しかし、同時に銃で自らを守るという「セルフ・ディフェンスの発想」が国民性として染みついているアメリカで銃を既成することは至難の業。アメリカ人のDNAに刻み込まれた「銃には銃で対抗する」という思想が、全米ライフル協会の強力なロビー活動に後押しされた結果、否決という答えが出たと考えた方が自然なのではと感じています。
 日本で暮らしているとまったく理解できない発想ですが、これもアメリカ。生き抜くためには銃が必要不可欠と考えるのもアメリカだと思います。


 テロによる爆破で3名死亡。170名以上が負傷。悲惨な結末を迎えた今年のボストンマラソンの追悼式がボストンで行われました。日本の朝のテレビニュースでも大きく取り上げていますが、まさに刻々と事実が判明し、つい先ほどはFBIが犯人と思われるふたりの映像を公開しました。
 追悼式に出席したオバマ大統領は演説の中で『犯人を捜し出し、裁きにかける」と宣言。強い決意を表しました。アメリカの正義を守るための“プライドを掛けた戦い”が始まりました。
 911の時と同様、アメリカの捜査能力のすべてを投入して犯人を捕捉することになるでしょう。ただし、逮捕するか、銃で決着をつけるかはその時の状況次第。個人的には後者になると想像しています。日本なら警察官に犠牲者が出ても生存した状態で逮捕となるでしょうが。これもアメリカです。


 余談ですが、追悼式でチェリストヨーヨー・マが演奏したとのこと。ボストンにあるバークリー音楽大学出身で今も教えている彼の演奏、ちょっと聞きたかったと考えるのは不謹慎でしょうか。
 それはそれとして、オバマ大統領が追悼式で発した“You will run again”という言葉。マラソンに引っかけたものでしょうが、日本なら「走り始める」というよりも「歩き始める」というところ。これまたアメリカらしい言葉かもと感じています。そしてこの言葉、そのまま僕に対しての言葉としていただきたいと思っています。


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