【ビジネスと環境問題】
2020年に東京でオリンピックが開催されると決まってまだ4日だというのに、経済効果は150兆円だとか、事業計画を前倒しするとか、新たな事業部を立ち上げるといったように、俄には信じがたい数字や、こんなにあったのかと思うほどの事業が一気にヴェールを脱いで表舞台に出てきました。
特に、時間の掛かるインフラ整備に関しては「事業半ばで“はずみ”がついた」というものが多いはず。お祝いムードと“寛容路線”の中、「イケイケ」状態になるのも当然でしょう。
そんな中、昨日、日本野鳥の会がカヌーの競技会場となる予定の葛西臨海公園内の敷地の使用について代替地を選定するように要望書を招致委員会と都知事に提出したという発表がありました。
以前から野鳥、特に水鳥の楽園と言われてきた葛西臨海公園に競技会場を建設すると、豊かな自然環境が壊され、生態系が脅かされるというのがその理由。
この問題も前回の招致の時から日本野鳥の会を中心に環境保護団体がいい続けてきたこと。つまり数年前から運動が始まり、オリンピック開催決定と同時に危機感が増大、大きな声で運動に“はずみ”をつけようとしているようにも思えます。
64年のオリンピックの時のように、計画達成のためならなんでもあり、オリンピックという言葉は“免罪符”だというような発想だけはご法度にしてもらいたいと思っています。
スポーツの祭典を通して日本の急激な活性化を目指すのはけっこうですが「環境にやさしく、人にやさしく」という理念だけは忘れてほしくないところです。
福島の課題も、パラリンピックが開かれる都市としても、解決するために残された時間はあまりにも短い時間しかありません。しかし、経緯から結果まですべて、世界中の人たちが納得できるものに仕上げていくのも日本に与えられた課題だと確信しているのですが、いかがでしょう。
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