∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

学究の成果は現実が証明する

【数万年前】


 淡路島を震源とした阪神淡路大震災は、数万年間、淡路島の地中で静かに眠っていた断層が震源でした。


 「淡路島に眠っていた断層がずれた」というニュースに接した時、僕は「ウソー。小学校の時、明石に活動の終わった断層はあるけれど、それ以外に神戸近辺に休眠している断層はないと教わったぞ」と思わず叫んでしまいました。
 その後、地震解説のテレビ番組を見ていたところ、地震学者の方が「この断層は数万年前に活動して以来、休眠していたようです」とコメントした時に感じたのは「数万年前? オイオイ、それじゃ恐竜相手だ。もう関係ないだろ」。申し訳ないけれど、その方をバカにしたような思いを抱いたことを覚えています。


 しかし、事実は事実。地震学者の方が言ったようにあの断層は生きていたのです。子供の時から「神戸に大地震は来ない」と教えられてきた僕にとっては地震の被害と同様、ショックな事実でした。


 あの地震が起こるまで、地震学者って一体何を研究しているの? それで何が判るの? 何に利用できるの? と疑問しか持ちあわせていませんでした。ましてや東海沖地震の確率などと言われても「どうやって“想像”したの」程度しか理解していませんでした。
 しかし、今は違います。彼らは真摯に研究を続けていた学究者だと理解しています。なにしろ、きちんと原因を究明してくれたのですから。


 それに比べて、3年前の東日本大震災の時は。不幸なことに原子力発電所が被災し、最悪の事故を引き起こしてしまいました。
 事故直後、原子力関連の研究者のなかでも特に原発寄りだった研究者のコメントは腑に落ちないものばかり。自己保身としか思えない信頼度ゼロの情報を発表しただけで、何も有益な情報を与えてくれませんでした。


 政治も経済も19年前の地震をきっかけに大きく変化してきました。しかし、学問の世界だけは3年前の地震から変革が始まったように感じています。
 それでもいいんです。人々の意識が正しい方向に向かう限り、人は自然と共生出来るのですから。


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