∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

雪国多摩エリア

【雪害対策も災害支援のひとつ】

 「お前、23区だけが東京だと思ってないか。多摩はいまだに雪国だよ。積雪40センチなんて記録上のこと、現実はひざ上までズッポリだ」。
 八王子近郊に住む友人から来たメールの文面は少しだけ怒りを帯びたものでした。
 「雪かきと言ってもどこから手をつけていいのか……。大体、23区だけ良ければいいと思っているから雪かきの手伝いにも来ないんだろ」。
 普段、こんな嫌味を吐くことのない彼としては異常。よほど疲れているのでしょう。メールに添付されていた写真を見ると、確かに見たこともないような雪が積もっています。これじゃ歩くのもひと苦労するはず。足腰の弱った人だったら家から出ることもできないでしょう。
 「ウチもひどい雪だけど、山梨や群馬のほうってもっとすごいし、桧原村も孤立しているみたいだ。文句言わずに雪かきしないとな」。

 積雪2メートルが当たり前といういわゆる豪雪地帯と違い、例年ならここまで雪にいじめられない地域の住民にとって、今年降った2回の大雪は、その積雪量よりも雪対策の準備の違いが引き起こした災害だと思っています。
 かと言って本格的な雪対策を取るのもオーバーアクション、現実的ではないでしょう。となると、やはり迅速な災害支援体制の確立ということになるのでしょうか。少なくとも自然な融雪に期待するとか、地域と個人が取り組む個々の対応が重要といった姿勢で済まされる問題ではなくなっているように感じています。
 つまり「明日には溶けるでしょう」とか「気をつけてください」といった言葉で済ましてはいけない問題だと思うのです。
 地震津波、豪雨や竜巻だけが都市防災の対象ではないはず。いつか大きな被害が出てからでは遅いのです。どうせ雪かきレベルで収まるでしょう、という安易な考えこそ“災害”だと思っています。
 以前と比べれば自衛隊災害派遣要請を出すためのハードルは低くなったと思いますが、それでもまだまだ。いっそのこと、自衛隊の独自判断での出動もあっていいのではないでしょうか。少なくとも災害派遣に関しては“軍の独走”なんて言う輩はいないでしょうから。

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