【ウクライナの危機】
あと数日経てば、ソチでパラリンピックが始まると思っていたのに、ソチから数百キロしか離れていないウクライナで戦争が始まるかもしれない状況になってしまいました。
ウクライナで政変が起こって旧体制が崩壊、EU寄りの新政権が発足したのをきっかけに、ロシア寄りの人々が多く住むクリミア半島で火の手が上がりそうな気配になってきました。今のところは国連での舌戦や報道機関を通じた主張作戦が進行していますが、ニュースを見る限り、今にでも戦争が起こりそうです。
万一、ウクライナ、特にクリミア半島にロシアが侵攻することになれば、世界的に計り知れない影響が出ることは必至です。
ロシアからヨーロッパ各国に液化天然ガスを供給するための輸送用パイプはウクライナ国内を走っています。危機が国際政治の世界を離れた途端に天然ガスの相場だけでなく石油の相場も急騰するのは必至です。
危機の観測が出た途端に通貨相場は大きく動き始めています。
黒海に面したクリミアにはロシアにとって大西洋にもっとも近い軍港があります。ロシアはどんなことがあってもこの基地だけは手放さないはずです。
今回の政変はウクライナのEU入りを促進するもの。ロシアはこれ以上EUの影響力を増強させないように抵抗することは当然です。
そして、パラリンピックが行われるソチからは数百キロ。おそらく晴天の日にはソチからクリミア半島が見えるでしょう。
つまり、円安基調であることが必須のアベノミクスにとっては大きなダメージが生じます。また、原油や液化天然ガスの急騰は想定外の問題が起こるはずです。
しかも、こんなに近いところで紛争が勃発すればパラリンピックの中止や、抗議のためのボイコットが出るかもしれません。
日本から遠く離れたところでの紛争とのんびりしている場合ではないように感じています。パラリンピックばかりでなく、生活基盤の確保に関しても混乱が出て当然です。
国際政治の舞台で活躍している皆さん、お願いです。紛争に発展しないようにあらゆる方策をとってください。直接なにも出来ない僕達にとっては、軍事力に頼らずに、国際政治の世界で決着が図られるように祈るしかないのですから。
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