【そして、ウクライナは】
日本時間の今夜、ソチ・パラリンピックが始まります。パラリンピックは車いすなどのメカニカルなギアの性能まで含めた能力を競う競技がほとんどで、オリンピックとは一味違った応援ができるため、かなり期待しています。
それはそれとして。
ソチからあまり離れていないウクライナの緊張状態がいっそう厳しいものになってきました。今のところ、ウクライナの新政権、ロシア、アメリカの舌戦がヒートアップしているところ。そんななかで、クリミアのロシア寄りの住民たちは「クリミア地域のロシア編入」を決める住民投票を行うとのこと。混乱は増々激しくなっています。このままなら武力衝突がいつ起こってもおかしくない状況です。
しかし、今日からはパラリンピック。こんなことは考えたくはありませんが、こと国際政治のこと。世界を必要以上に混乱の中に巻き込むような愚行を避けるための恰好の行事が始まります。
パラリンピック開催中は政治的な駆け引きを繰り返して妥協点、あるいは突破口を探る戦いを繰り返すことになるのではないでしょうか。
クリミアの軍港施設を何が何でも守りたいロシア。ウクライナ経由で送られる液化天然ガスの供給が止められることを恐れ、大声で抗議したいのを堪えているヨーロッパ各国。自由世界の盟主として影響力を行使したいアメリカ。70%以上の人々がロシア編入を望んでいるとも言われているクリミアの住民。まさに「組んず解れつ」の日々がパラリンピック閉会まで続くと言ってもいいでしょう。
今回のパラリンピック、武力紛争を秘めた国際政治の影がつきまとう大会になってしまったような気がしてなりません。純粋に最高のアスリートたちの戦いを楽しみにしていたのに残念です。
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