∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

土砂降りの中で

【やられたー】

 一時間も掛からずに終わってしまう、ちょっとした買い物にご近所まで出かけたんです。空が暗くなってきたなと感じてはいましたが、それまで陽射しが差していたこともあり、何気なく自転車で出掛けてました。買い物の前にお気に入りのカフェでお気に入りのコーヒーを頼んで、ゆったりとした気持ちで飲み始めました。
 ふと外を見ると、道路が濡れているような気配。せっかくのコーヒーなのに急がないと、と思いつつひと口、ふた口。

 たった数分のことでした。外は大雨。道路が池のようになっています。

 買い物に出かけたはずなのに、何も買わずにノンビリしていたら身動きも取れないくらいの状態になってしまうなんて。こんなはずじゃなかったと思っても時すでに遅し。
 こうなったら意地でも買い物をして帰ってやる、なんて考えなければよかったのかもしれません。でもバケツをヒックリ返したような雨の中、カフェを出てしまったんです。大急ぎで3軒ほど買い物を済ませた時にはもうグッショリ。それでも走って帰りました。
 帰宅した時には「服を着たまま風呂に入るとこうなる」という見本のような状態。玄関からバスルームに直行、素っ裸になってバスタオルで身体を拭き……。つまり風呂あがり状態です。
 下着姿でコーヒーを淹れ、タバコを一本。やっと落ち着いたところで買ってきたものを整理。そこで思い出しました。洗濯物を干したままだったんです。当然、再脱水。今度は部屋干しにしました。
 ところが、その時点では雨は小降りになっていました。つまり、僕は一番ひどい降りの時に走り回っていたわけです。自然にもてあそばれたような気持ちになりながらも。人生ってこんなもの、なんて考えてしまいました。

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