∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

定例会の夜

【忙しかったひと時】

 眼病で入院していた奥様の退院祝いと、無事に終わった認知症を患った彼の初ショートステイと、僕の次の一歩への景気づけを記念して今月は奮発してみよう。そんな思いつきでお店を選んだ定例会から帰ってきました。
 結論から言うと「忙しい夕食会」でした。場所は東京下町でも少し奥まった所にある老舗の牛鍋屋さん。繁華なメインストリートを通り抜けようとしていると急に彼の顔つきはイライラと難しい顔つきに。これでは怒りの発作が起こりかねないという限界点間近でした。大急ぎで通りすぎてお店に直行。ようやくたどり着いて注文しようとしたら、自分のビールだけオーダーして注文は終わったような態度になっていましたが、それまでの険しい顔つきも消え、いつもの無表情に戻っていました。
 そして鍋の用意も整い食べ始めたのですが、ここからが大変。いつも通り、とにかく何もかもガバっと取ってガガガと食べてしまうんです。奥様にストップを掛けてもらい、少しずつ遠慮しながら食べるようにしていただきました。それでも大急ぎ。とにかく急いで食べないとすぐ鍋は空っぽになるし、そのままにしておくと生肉をそのまま食べそうになったり。
 もちろん、退院祝いやショートステイ初体験なんて趣旨はすっかりどこかへ忘れ去られています。
 そして食べ終わり。彼は食後の余韻を楽しむことなく「サッ、行きましょう」と帰り始めました。これまたいつも通りと言えばいつも通りですが、少しゆっくりしたかった奥様と僕はアタフタモードに。彼が満足していたようなので良しと納得して帰宅することにしました。
 ああ、忙しかった。お腹いっぱいにはなったけれど、何を食べたのか、どんな味だったのか、どんな雰囲気だったのか。
 それでもいい夜でした。食べ終わった後の彼の顔つきが満足そうでしたから。

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