∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

絶賛! 夏休み中ってことかな

【街が静か過ぎます】

 もうすぐお昼という時間、僕は九段下にいました。30〜40分でちょっとしたヤボ用を済ませた後、あの天丼屋さんに向かいました。というか、この店に行くために時間を逆算して出発したんです。仕事よりも天丼、と思われてもけっこうです。
 そんな「頭の中は天丼だらけ」の状態で歩いていて、街の静けさに気が付きました。道路は日曜並みの空き具合い。歩道は土曜日並。九段下界隈はもともと整然とした雰囲気の街ですが、今日の静けさは異常なほど。とにかくガランとしているんです。
 なにしろ自分が夏休みなしで動き回っているため「ここも夏休み真っ盛りなんだ」と気付くまで少し時間が掛かってしまいましたが、判ってしまえば納得。静かで当たり前だったんですね。
 そんな街を歩いてお目当ての天丼屋さんへ。「暖簾は出ている。外に行列はない。よし、理想的な展開だね」などと考えながらお店の中へ入りました。と、そこで見たのはズラッと並んでいるお客さんでした。それも入り口の左右にズラッと。もちろん整然とです。
 アレッ、満員。これだと二回り目かな、などと思いつつ、僕も列の最後尾に並びました。いつも通り必要な事以外お客さんとも会話をしないご亭主と、たった二人でてきぱきと手を進める周りの人たち。「旨いものを早く安く」の姿勢が現れていました。お腹の準備も準備万端整ってきた頃、ようやく席が開きました。思った通り二回り目です。そこからは丁寧な仕事を肌で感じながら、天丼と味噌汁を黙々と食べるだけです。食べ終わった時には「旨かった」の言葉しか浮かんで来ませんでした。
 そして、表に出ると、やはり街は静かでした。まるで今日の九段下界隈で混んでいるは天丼屋さんの店内だけかのような風情です。
 人も車もめっきり減ってしまった静かな街と、静かだけどファンの思いで詰まった天丼屋さん。今日の九段下は「エンジョイできる街」だったようです。

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