∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

症状が緩和されてきた、かな

【ある男の場合】

 認知症を患ってしまった僕の友人が定例会の日に暴走して、行方不明になった話を先日お伝えしました。今日はその彼についての事後報告です。

 僕は彼と毎朝メールを交換しています。こちらは朝書く。向こうは午後書く。そんなゆっくりとしたペースで、もう数年続けています。もともとメールなど書くことなど少なかった彼と奥様に使い方を覚えてもらい、ようやく日課にすることができたワザです。ちなみに、その頃、彼はすでに初期の認知症と診断されていました。
 当然、今月の定例会についても確認を取り合っていました。ただ、普通と違うのは毎日同じ内容を繰り返すということ。返信、返信でやり取りしていても彼には前日のやり取りが理解できないからやむを得ません。
 今回は、暴走した次の月曜日にお詫びのメールがきました。きっと奥様がこういう文面で書くようにと指示されたのだと思います。その時は40字くらいだったと思います。そして次の日からは、きっと自分で書いたのでしょう、20字程度の文面でした。
 しかしあの日から5日ほどたった今朝、送られてきたメールは60字程度。それも具体的な内容で構成されたものでした。ちなみに彼は、もともと彼は音楽畑の人間です。その彼が音楽の話を書いてきたのです。
 ひょっとすると、記憶が戻ってきているのかもしれません。ここ2週間ほど、ずっと内容が固定化していたので、これはおかしいぞと思ってはいましたが、ここまで混乱しているとは想像もできませんでした。その彼が「雨と音楽のつながり」について書いてきたのです。60字とほんの少しですが、字数も増えてきました。
 僕はモニターを見ながら快哉を叫びそうになりました。本当によかった。これで落ち着いて暮らしてもらえる。奥様もペースを取り戻せるのでは。今、僕の頭の中ではいろいろな思いが頭の中を駆け巡っています。抱えている書き物を終わらせたら一度、定例会の番外編をやってもいいなと感じています。明日の朝からは少し中身のあるメールがやりとりできそうです。よかった。

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