∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

そもそも憲法って何だ

【生活の中では意識していなかったけれど】

 憲法というのはすべての規範になるものという意識以外にほとんど考えてこなかった僕自身にも問題があったのかもしれませんが、生まれた時から「そういうもの」として育ってきただけに、空気のような存在になっていたというのが憲法ではないでしょうか。
 戦後生まれの僕にとっては第二次世界大戦とそのあとの辛い生活を過ごしてきた方たちと違った感情があるのでしょう。現憲法アメリカから押し付けられたものという議論だけでなく、天皇の存在や主権在民という概念、平和を追い求める理念など何もかもが当たり前のものだと思ってきました。
 もっと意識して考えろと言われるでしょうが、そういうものだと信じた上で、生活を営んできた僕にとっては難しい問題だったというしかありません。

 そんな憲法が今、変わろうとしています。それも大幅な見直しではなく「第九条 第一項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。第二項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という条文が変わろうとしているのです。
 平和の希求という理念は変わらないが、第二項の戦力は見直したいというのが首相の考えとのことですが、それだけですむのでしょうか。

 日本は憲法の第三章に定められた国民の諸権利のおかげで、濫用しない限り、自由に主義主張を表現することができます。そのため憲法をどう解釈するかも個人に任されてきました。つまり、皇国主義も好戦主義も階層主義などの少数意見も認められてきたわけです。

 そんな世界での憲法改定が今、始まろうとしているわけです。意見の衝突や当初の提案の拡大などありとあらゆる意見が飛び交いながらの作業になるだろうと思いますが、なにより大切なのは自分の立ち位置を確たるものにしながら、子孫にとって理想的と思えるものを選び出すことが必要になるはずだと確信しています。簡単に言えば、他人の意見に流されないことが求められているのではないでしょうか。

 もし本格的に、培ってきたことを捨てることなく、日本の規範を見直すことの難解さと将来の日本の形を見据える作業に対処することになれば、すべての疑問に答えを出しながら、背筋を伸ばして凛とした立場で望みたいと思っています。

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