【だから南方熊楠展へ】
今日は成人の日。ご承知のように僕はそのことに昨日気が付きました。そして盛り上がっていた「やる気」が一瞬萎えそうになりました。でも、休みは休み。長丁場の仕事に手を加えたあと、自由時間をタップリと取ることにしました。
なんだか得した気分にさせてくれた休日になりました。
ということで、約20年ぶりに科学博物館へ南方熊楠展を見に行きました。常設展のなかでの企画展ということで大規模なものではありませんが、見ごたえは充分。「博覧強記」とはこの人のことを指すと言われている南方熊楠の仕事が大雑把に一望出来たように感じています。
何冊かの本で彼の研究成果は知ってはいましたが、ここまで丁寧で緻密な作業の結果だったとは知りませんでした。あのネイチャー誌に20回以上も論文を発表していたとはまったく知りませんでした。
特に、彼の博覧強記が「標本採集、吟味、分類整理、清書」という段階に明確に別れていたところから生まれたものだということをまざまざと見せつけられたのは感動的といってもいいものでした。現代で言えば「情報収集、分析、整理、入力、発表」というアナライズの手法がすでに行われていたことは、ぼんやりと知っていたこととは言え、脱帽せざるを得ないもの。基本はココにあるということを改めて教えられたような気持ちになりました。
ともすれば直感で物事を進めてしまう「おっちょこちょい」な僕にとっては彼の仕事そのものが警鐘だったといってもかもしれません。
今日は「得した休日」に相応しい展覧会を見せてもらったような気がしています。物事を進めるのならコツコツと慎重に。この姿勢を忘れないようにしたいと思います。
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