この続きはコーヒーと一緒に

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡街が茜色に≡≡

光が織りなす魅惑のドラマに出会うなんて!

 夕方。春のような光の中で心地よい時間を過ごした後、不忍池から千駄木方向に向かってゆるゆると自転車で走っていた時でした。

 僕は街が茜色の光に包まれていく時間の中を走っていたんです。

 夕焼け空の下、数分間の間に、街がオレンジ色から茜色に染まっていき、見知った風景がどこもかしこもドレスアップするかのように変身していくのを目の当たりにして僕は自転車を止めて見入ってしまったのです。
 きっとこれまでにも出会ったことのある風景のはずなのに、今日出会った“光のドラマ”は特別だと瞬間的に感じたんです。
 風邪ひきで無為に過ごした10日間の後、こんなに魅惑的な自然のドラマに出会えるなんてなんて幸運なんだろうと思ったのかもしれません。

 何もかもが停滞してしまい、自分にウンザリしていたのが一瞬のうちに洗われていくような感覚なんて、そうそう味わえるものではありません。
 そんな数分間のドラマを目の裏に焼き付け、心に刻み、時として記憶の引き出しから取り出して……。

 自然だけが創り出せる、魅惑的な光のドラマに出会えました。

 今日のこの気持ちを忘れないようにします。

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