∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 怖くて外出できない女性 ≡≡

感染すると大変だから……

 小休止の水曜日。久々に根岸の喫茶店に行ってみました。数人の常連さんと挨拶を交わしながらいつもの席に付き、コーヒーを。マッ、ここまでは「年寄りのお楽しみ」と思っていただければけっこうです。

 常連さんのなかに一人見当たらない人がいるのでおかしいなと思っていたら、こんな噂話が聞こえてきました。

 「あの人、コロナが怖くて家から出られないそうなの」。
 「もう歳だからね。歩くのもおぼつかないし、身体も弱っているし。もし感染したら人さまに迷惑を掛けるからって出掛けるのを自制してるみたい」。
 「仕事を辞めて介護に専念している娘さんだって気晴らしできないから辛いわよね」。

 いつも娘さんと思しき人に手を引かれながらやってくる高齢女性の近況について、お店のママ(マッ、おばちゃんですな)が小声で(実際には店内全体に響く声量ですが)答えていたのです。

 介護が必要な高齢者にとってコロナは、オッサンとは言ってもまだ若い僕などとは次元の違う怖さを与える存在のようです。
 コロナは、頭はしっかりしているけれど、手足が不自由なうえに基礎疾患がある彼女から歩行訓練を兼ねた気晴らしさえ奪ってしまったのです。

 このままではどんどんQOL(Quality of Life)が下がり、歩行力はもとより体力も精神力も減衰してしまいます。万一、鬱状態におちいれば認知症になってしまう可能性だって高まってしまいます。
 ひょっとすると「人さまにこれ以上迷惑を掛けるわけにはいかない。コロナに罹るくらいなら、寝たきりになってもいい」というような悲壮な覚悟をされているのではないかと心配になってしまいました。

 介護されながらもリハビリに励んでいた彼女のような人が“いつもの生活”を取り戻せる日はいつ戻ってくるんでしょう。出来るだけ早く来てくれるように願うしかないのでしょうか。

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