初めてだらけの酉の市
11月26日。三の酉である。浅草鷲神社に詣でるようになってかれこれ40年近く経つが、コロナ禍の影響で人手も少ないだろうと予測して、例年の早朝詣りを変更して今年は午後遅くに出掛けることにした。
入場券と健康管理シートを持って出掛けなければいけないということ自体はじめてだったが、例年のような長蛇の列もなく、やたらと警察官と警備員ばかりが目立っている光景もはじめて。例年なら混乱を避けるための緩やかな一方通行も、感染予防のために厳格なものになっていた。
ちなみに、路地ひとつを隔てただけの長國寺に詣でる時、一旦神社の出口を出てから再度山門から入り直すことになっていたとは思ってもみなかった。感染症予防のためなら人の流れを制御することからという思惑だろう。
と、例年とはまったく違う風情のお詣りだったが、他人と密にならない距離が取れるほど人手が少なかったこともあり、人混みを気にせず、たっぷりと時間を掛けて今年のお礼と来年への祈願を済ませることができたので、気持ちだけは例年以上にすっきりしたように感じている。
だが、どこかが違っていた。極端に少ない人出が物足りず、酉の市らしくなかったのだ。
やはり酉の市は、ギュウギュウ詰めになりながら本堂前に辿り着き、足を踏ん張っていないと倒されそうになるほど押されながらお詣りを済ませないと“らしくない”もののようだ、これもまたコロナ禍で知った“常識の非常識”のひとつなのだろう。
来年こそ、ギュウギュウ詰めで押し合いへし合いしながらお詣りを済ませる“景気のいい酉の市”が戻ってくるように願うばかりである。
※写真だけでも景気よくと思い、昨年のものをアップした。あしからず。
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